さくらのレンタルサーバのコンテンツブースト(CDN)を使ってWordPressを高速化&分散配信
さくらのレンタルサーバに「コンテンツブースト」という機能が追加されました。これは同社のCDNサービス「ウェブアクセラレータ」をレンタルサーバ上で手軽に利用できるようにしたものです。
以前、さくらのレンタルサーバ上でウェブアクセラレータを使う方法については記事にした事もありましたが、キャッシュプラグインなどの設定が必要でした。
こちらが過去の記事です。
新しいコンテンツブーストではプラグインの設定変更などは必要なく、サーバコントロールパネルより1クリックでドメイン全体のCDN利用設定が完了してしまう優れものです。
このWordPressブログも実際にさくらのレンタルサーバ上のコンテンツブースト機能を利用して運営されていますが、コンテンツブーストをWordPressで快適に利用するためには、多少のカスタマイズが必要だったので、作業内容をシェアしたいと思います。
さくらインターネットにドメインを移管する
コンテンツブーストを利用する為には、ドメインをさくらインターネットで管理しDNSを指定の物に変更しないといけません。
正直、価格的には他社の方がドメイン管理費は安いのですが、コンテンツブーストを利用する為にドメインをさくらインターネットに移管しました。
プレミアムプランを新たに契約する
元々スタンダードプランを利用していましたが、プレミアムプランであればコンテンツブーストの1,100円の無料枠がついています。これはプランの価格差とほぼ同じなので、プレミアムプラン自体の快適さがスタンダード以上であればプレミアムプランの方がお得です。
スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|
コンテンツブースト(100GB) | 1,100円 | 無料 |
レンタルサーバー月額費用 | 524円 | 1,571円 |
実際にプレミアムプランを契約してみると、サーバー内の収容人数がスタンダードプランのおよそ1/3となっていたので、プランの価格差≒サーバー収容人数のようです。
よってコンテンツブーストを本気で利用するのであれば、より快適なプレミアムプランがお勧めです。
URLを「wwwあり」に変更する
URLは「www」を省略しても正しく表示されます。単純にURLが短くなってスタイリッシュという理由で「wwwなし」を利用している人も多いと思います。
このブログのURLも「wwwなし」を利用していたので「wwwあり」に変更しました。
以下の記事が作業内容となっています。
WordPressの管理画面を別ホストに変更する
コンテンツブーストはCDNを簡単に利用できるサービスという事で、WordPressの設定は特に変更しなくても利用できていましたが、管理画面のレスポンスの悪化、管理画面にはそもそもCDNは不要、時々ページをリロードしないと正常にログインできない事象が発生した為に、管理画面を別ホストに分離する事にしました。
以下の記事が作業内容です。
キャッシュの有効期限を設定する
コンテンツブーストをサーバコントロールパネルから有効にした後、キャッシュの有効期限を指定する必要があります(指定しない場合には300秒)
キャッシュの有効期限が切れるとオリジナルのファイルがサーバーから再取得されます。
WordPressではインストールディレクトリ直下の.htaccess
に設定を追記します。
<Files ~ "\.(gif|jpe?g|png|ico|css|js|mov|woff2)$">
Header set Cache-Control "s-maxage=259200, public"
</Files>
<Files index.php>
Header set Cache-Control "s-maxage=3600, public"
</Files>
ブログ記事などの動的ページの内容は1時間(3600秒)とし、その他の画像などの静的ファイルは3日間(259200秒)キャッシュする設定にしました。
最強のWordPressサイトが完成
コンテンツブーストを利用する事で、管理不要なレンタルサーバにも関わらず高速で分散された耐障害性の高い最強の配信環境を手に入れる事ができました!
月間100GB以上の配信は有料となるのでお金の続く限り…。
元サーバー管理人としての視点
過去に、VPS・クラウド・専用サーバと利用してきましたが、よっぽどの事が無い限りウェブサーバは管理不要な「さくらのレンタルサーバ + コンテンツブースト」で問題ないと感じました。
ただしメールサーバは「G Suite」を使っていて、さくらのレンタルサーバのメール機能は一切使っておりません。メール機能はダメですよね…。